大雪におたより

日々のことと、我が子について考えたこと、語学・早期教育について。

テセウスの船としてのセサミストリートのビッグバード

ビッグバードの中の人が亡くなったとのニュースを、朝日新聞の今朝のメール配信で知った。

中身は2015年まで担当し、声は昨年まで当てていたそう。

www.asahi.com

 

正直、ビッグバードのことはさして好きではなかったし、陽気な大きな鳥だとしか思っていなかった。

それでも多少の感傷に浸ってしまったので、こうして文章を書いている。

 

私が好きなのはエルモ(王道)、そしてカウント伯爵。おまけに、ひたすらかわいいプレーリー・ドーン。

プレーリー・ドーンを紹介したくて探した動画が可愛すぎたので共有。

 


Sesame Street: The Cookie Game with Cookie Monster and Prairie Dawn

クッキーモンスターの目隠しは、目玉縛り。

 

5カ月の娘にセサミストリートの英才教育を試みるくらいには、私はセサミストリートが好きだ。

セサミストリートの絵本を多めに読み聞かせしたり、YouTubeチャンネルの動画をバックグラウンド再生して、音声だけ聞かせたりしている。

 

なぜそれほどまでにセサミストリートへの思い入れがあるのか。

さいころNHK教育(当時はEテレではなかった)で観ていたというのも一つの理由だ。

そして、セサミストリートPodCastセンター試験の英語リスニング対策をしたというのがもう一つの理由だ。

 

センター試験にリスニングが導入されることになり、誕生日プレゼントにと買ってもらったiPod nanoで、通学中・休み時間に貪るように視聴していた。

確か、一つの単語を取り扱い、説明していく構成だったように思う。

マペットたちがかわいくて、世界観に魅了されて、繰り返し繰り返し見て聞いた。

それでセンター試験の英語は9割取れたのだ。

その点数が私にほどほどの大学へ行くことを可能にした。今の仕事に就き、結婚し、娘に恵まれた。

だから、セサミストリートへの思いは人一倍強い。 

 

私の知っているあの頃のビッグバードはもういないと思った。

でも、ビッグバードの皮をかぶっていれば、物語の進行上それはビッグバードでしかない。セサミストリートの世界ではビッグバードは生き続けている。

 

そんなことを考えながら記事を読み返した。

2015年までは中身も声も担当し、2018年までは声のみ担当していたのだから、ビッグバードはある時点で完全に変わったのではない。少しずつ少しずつ変容していった。

新旧ビッグバードの間に断絶はなく、ゆるやかに移行していった。

ということは「まったくもって」同一性が失われたとは言えないのかもしれない。

そこには継続性がある。継続していれば同一性もある程度は担保されるように思えた。

テセウスの船 - Wikipediaならぬ、セサミストリートビッグバード

 

とにもかくにも、陽気な鳥は今後も陽気であり続けるだろうし、私は今後もセサミストリートを愛し続けるだろう。